子供都市計画の全貌が本に!

kanazawa21coc2005-10-01

みなさん、お久しぶりです。子供都市計画研究所よりお知らせがあり、瞬間復活のデイリーニュースです。

子供都市が出現してデイリーニュースも発信しなくなってはや半年。しかし、子供都市を見たみなさんにはその記憶もまだ色褪せずに残っているはず。
そんな子供都市計画研究所での出来事が本になりました!ヤノベ所長による解説や記録班が撮りためた写真群が鮮やかに活動をよみがえらせてくれます。また五十嵐太郎氏や椹木野衣氏などによる「子供都市計画」論によって一段と読み込める内容に。
タイトルはその名も『ヤノベケンジ:ドキュメント子供都市計画』
今日から一般書店から発売されます。
また豊田市美術館金沢21世紀美術館ミュージアムショップでも発売します。

現代美術作家・ヤノベケンジと研究所員が金沢に滞在し、制作し続けた半年間を1冊に凝縮!ぜひみなさんお買いお求めください!

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ヤノベケンジ:ドキュメント子供都市計画』
ヤノベケンジ/子供都市計画研究所
出版:美術出版社
ISBN4-568-20183-7
価格:2800+税

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さよなら、子供都市計画研究所

kanazawa21coc2005-03-22

あっという間の3日間の子供都市。そしてあっという間の半年の滞在制作。最初は9月、まだ暑い夏の名残を感じる金沢から始まった子供都市計画。そして子供都市計画研究所。半年の間にはたくさんの事件や思い出があり、それを思い返すことさえもたくさんありすぎて、思い出せないほど・・・
昨日のアフターパーティーが終わって、実は早速撤収作業がありました。『ジャイアント・トらやん』と線路のばらし。なかなか感傷に浸らせてくれないほど大忙し。
6時まで撤収作業を行い、ようやく一息ついて、みんなで打ち上げに。約40人というスタッフで盛り上がりました。やはり今まで、時間との戦いであったり、なんとか成功させなければという気迫の中ここ1〜2週間やってきたので、みんなに安堵の顔が見られます。好き勝手に飲み食いしながら話が盛り上がります。半年の中でかかわったスタッフの数はそうとうたくさん!その中でわきあいあいとたのしく研究所は運営されてきました。最後はみんなでヤノベさんを胴上げして、幕を閉じました。
大成功に終わった子供都市。みんなの心の中に残り、また新たな出発に向かうのでしょう。その日までまた!!

さよならのおみやげ

kanazawa21coc2005-03-21

子供都市最終日
昨日は夕方から雨が降りましたが、今日は晴天。雲一つない春らしい陽気の中、朝から引き続き、『ジャイアント・トらやん』の組み立てが行われました。消防署の人たちが来て『ジャイアント・トらやん』の火を噴くパフォーマンスに使用する火器に問題がないかのチェックを無事クリアし、あとはクライマックスに向け突っ走るだけの状況となりました。
そして10時。続々と研究所前の広場に集まったスタッフが、一晩にして中から外に出た『ジャイアント・トらやん』にびっくりしています。今回の展覧会は今までのトらやんまつりと違い、美術館の敷地全体を使ってしかも3日間ということでスタッフも今まで以上に人が必要でした。美術館のミュージアム・クルーズや、作品操作スタッフ、金沢美大生や高校生までたくさんのスタッフによってこの子供都市はつくられてきたのです。3日間のなかでも最終日は約100人ものスタッフが集まり、その群衆と『ジャイアント・トらやん』に美術館の来た人もついつい足を止めてしまいます。
13時。ついにオープン。トらやんゾーンは結界が張ってあったせいもあり、結界をとった途端、パビリオンに向かってきます。やはり人気は『子供都市鉄道』。すぐに列がつき、子供達をマンモスゾーンへ連れて行きます。マンモスゾーンでは、『子供都市ガチャポン』が大人気。時間になる前から行列になり、その列は途絶えることがありません。そして『マンモス・パビリオン』はその姿をゆっくりとあらわし、それをまだかといわんばかりにヤノベさんが氷を切り出していくパフォーマンスも。飛び散る氷の欠片に子供達はさわって大喜び。

そしてテレビゾーンでは『Famous of House-for Nobi』こと「のびハウス」が大人気。のびアニキに遊んでもらおうと子供達が群がり、いじり倒します。今日も大盛況のなか、とっておきのパフォーマンスの時間が刻々と迫ります。
 15時。『子供都市鉄道』はしばらく休止し、トらやんゾーンの周りに結界が張られます。すこし物々しい雰囲気のなか、ヤノベさんが登場。『ジャイアント・トらやん』のことを説明し、「これはな〜子供の命令しか聞かんロボットなんや、子供都市の最終兵器なんやで」と。そして実際に子供に『ジャイアント・トらやん』に命令してもらうようにお願いしました。選ばれた男の子が「トらやーん、起きろー」というと『ジャイアント・トらやん』は目を光らせ「チチチナプポイナ ナチコレットチキチキパイプ チナイデチョイチョイ」といい、観客は小さな子供の命令に大きな大きなロボットが反応するのに、感嘆の声を上げます。そして次は、集まった子供達全てに意識を集中させ、子供の怒りを『ジャイアント・トらやん』に。子供達は息をあわせて「トらやーん怒れー!!」大きな子供達の声は『ジャイアント・トらやんに』集まり、その途端、口から怒りの火が飛び出ます。キャーという声やオーという声、様々な反応が入り交じります。『ジャイアント・トらやん』の子供都市を守る力の強さをみんながはっきりと気づいたのでは。

その後はパビリオン再開。しかしその残りはあとわずか。スタッフも少し寂しそうに子供達に対応します。そしてパビリオン体験終了。美術館を取り巻いていた21個のパビリオンもトらやんゾーンに集結。クロージングイベントの準備が着々と行われます。30分押して6時30分。にもかかわらず、昼間以上にお客は集まり、押しましたが飽きてどこかに行くということもなくいまかいまかと待ち構えていました。あわ屋によるライブパフォーマンスがゆっくりと始まります。これから何かがおこる予感を高まらせ、音と、踊りが止まった瞬間、『ジャイアント・トらやん』が2度目の火を噴きました。あわ屋の福島さんが『ジャイアント・トらやん』の真ん前で踊っていたのですが、しゃがんだ瞬間の出来事だったので、一同息を飲んでしまったほど。絶妙のタイミングだったのですごいと思っていたのですが、後で話を聞くと福島さんは直前まで火を噴くことを忘れて、ヤバいと思ってしゃがんだとのこと。この奇跡もが、運を呼びつける力につながるのです。そしてクロージングフィルムの上映が続いて始まります。

トらやんとやのべまさのぶ氏が登場。この子供都市が、大人の手によってつくられたこと。つくったパビリオンが堅牢な要塞となって子供都市をまもってくれることを教えてくれます。3日間という短い子供都市の出現でしたが、このことは子供達の中に大切に残り、また次なる世代へと受け継がれるにちがいありません。ヤノベさんの大きな大きなおみやげをもらった子供達、そしてスタッフや大人達はこれから、どのようにむかっていくのか楽しみな所です。
そして大人達はそれを名残惜しむかのように最後の最後アフターパーティーを。今までのトらやんまつりに登場した参加者が再集結しました。半年という滞在制作の中でたくさんの人との出会いと交流がありました。そのつながりは消えることなくそれぞれの心の中に大切に残っているはず。

子供都市大盛況

kanazawa21coc2005-03-20

2日目の子供都市。昨日の様子が新聞やテレビに取り上げられたこともあってか、時間前にもお客さんがどんどん美術館に来て、研究所前のトらやんゾーンに集まってきました。こちらは人を気にしながら結界をはって準備をしていると、どんどん集まってきてしまいには行列ができています。それはそれはものすごい人の数で、スタッフも圧倒されます。
そして13時オープン。と同時に人がトらやんゾーン内に溢れかえり、子供都市今日も大盛況です。駅には子供都市鉄道を待つ子供達が順番に並んで虹色の椅子に腰掛けて待っています。『森の映画館』も久しぶりの登場で人気再発。次々と映画館の中に子供が入ってトらやんとやのべまさのぶ氏のかけあいをじっくりと見ています。
またマンモスゾーンの『マンモス・パビリオン』は氷がだいぶ解け、頭がすこし見えるようになっています。じわじわと融け出していますが、その姿をいつ私たちの前にあらわしてくれるのでしょうか?

そして、今日は12月のトらやんまつりに来てくれた闘う詩人上田假奈代さんが来沢。『詩の公園』パビリオンにて、特別ワークショップを行ってくれました。あざやかな濃い桃色のの着物を来て、一足先に春を感じさせてくれた假奈代さん。子供達も夢中になってカルタをつくり、カルタ大会も大盛況でした。

そして一日3回行われる20このパビリオンを巡る「虹のツアー」も大盛況。子供達が集まって、ツアーのコンダクターのお話に耳を傾けながら、それぞれのパビリオンを体験したり、スタンプを押します。子供達はスタンプに夢中になって子供都市パスポートに押していきます。子供都市パスポートは美術館の周りにある20個のパビリオンを体験し、スタンプを押すと、表紙にジャイアント・トらやんのはんこを押してもらえ、それが有料ゾーンのパスにもなります。その有料ゾーンには20個目のパビリオン『太陽』が美術館の中央に設置されており、太陽を見ると裏表紙に太陽のはんこが押すことが出来、子供都市を全て堪能できるという仕組みです。子供都市への体験は美術館周辺をまわり、そして有料ゾーンへとさらなる場をのばしていくのです。子供達はのびアニキと一緒に巡って楽しそうに一緒にまわっています。そしてタンキングマシーン体験も大盛況。親子のタンキングマシーンは子供にも大人にも大人気。体験する人はもちろん、その体験の様子を見るだけでも人がたまって盛り上げています。

しかし途中雨が降りはじめ、雨の対応の準備や、一部移動しましたが、お天気はなんとか持ち撤収と同時に雨が降り始めると言うなんとも天が味方しているとしか言いようがない感じ。
最後はヤノベさん自らが『トらやん・ヘッド・トレイン』に乗って子供都市の本日の終了をアナウンス。蛍の光もながれ、少し切ない感じ。あと1日しかない子供都市。あとは夢かのように無くなってしまいます。21日子供都市にようこそお越し下さい。


ついに子供都市出現!!!

kanazawa21coc2005-03-19

とうとう3月19日。子供都市計画研究所の約半年間にわたる滞在制作の集大成を見せる日がやってきました!スタッフはほとんど夜通しで、徹夜のまま展覧会の開館準備を行います。今回も美術館のクルーズクルーのスタッフや、作品操作スタッフなど、たくさんのサポートスタッフに協力していただき、スタッフだけでも約80人。この人数だけでも、規模の大きさが分かります。スタッフが集まったら、研究所からそれぞれのパビリオンが外に飛び出し、美術館を包囲し始めます。子供都市は美術館の広場に、3つのゾーンをつくりました。トらやんゾーン、マンモスゾーン、テレビゾーン。それぞれのゾーンの名前は、そこにある特徴的なパビリオンから命名。20個のパビリオンがあちこちに点在しているのです。そしてその3つのゾーンをつなぐ形で、美術館のまわりをぐるりと走る子供都市鉄道が走ります。異なる大きさの展示室を内包し、美術館全体が都市構造を持つまるびぃこと金沢21世紀美術館を、バラックのようなパビリオンで構成されている子供都市は乗っ取るのです!
13時オープニングイベントは「ようこそ子供都市へ」。珠洲実業高校の吹奏楽部による演奏からはじまりました。

美術館の周りを行進しながら、そしてそれぞれのゾーンで演奏をします。いきなりのハプニングでお客さんも何事かと、バンドの後について、ぞろぞろと列が出来てきます。よ〜くみたらトらびぃやのびアニキ、美術館スタッフもついつい顔を出すほど。バンドが戻ってきたら、担当学芸員の黒沢さんとヤノベ子供都市長によるあいさつ。半年に亘る滞在制作のこと、子供都市計画のことを説明し、つい今日までヤノベさんが手がけてきた、21個目のパビリオンであり、子供都市のシンボル・モニュメント『ジャイアント・トらやん』の公開!ヤノベさんが、観客を促して誘導し工房内に入ると、白い幕が上から下ろされ、その手前にはなにやら黒い大きな物体が見えます。これは足の裏・・・?そして幕の背後には、とてつもないものが登場するといわんばかりの雰囲気も放ちます。これから何が起こる!?観客もぎゅうぎゅう詰めに入り、いまだかつてこんなに工房に入ったのはミュージアムクルーズの子供達以来で、さらに上回るほどの人・人・人。

白い幕からはオープニングの映像がはじまり、パフォーマンスユニットあわ屋の二人による映像とライブパフォーマンスが行われます。しかしすごい人で、あわ屋もなかなか自分の立ち位置をとれないほど。そして背後から「トらやーん」と呼ぶ声が。とともにいきなり下ろされていく幕。その後ろから現れたのは子供都市のシンボルモニュメント。お客さんも想像以上の大きさにビックリしながらも、大喝采。『ジャイアント・トらやん』の後ろに待機していた長田町小学校の子供達が、ゆけジャイアント・トらやんの歌を練習して歌ってくれました。『ジャイアント・トらやん』の開眼式も無事終わり、子供都市誕生。そしてパビリオンが運転開始します。
マンモスゾーンでは氷づけされた『マンモス・パビリオン』がお目見えし、透き通った氷の中からうっすらと姿をみせています。氷の美しさとマンモスが詰まっている驚きとで子供達も目が離せない様子。これから3日間の間でどこまで融けて、その姿をあらわすのでしょうか?

ようやくその全貌を披露した子供都市。しかしその出現はたった3日間、その存在を目の当たりにすることが出来る人はどのくらいいるのでしょうか?

前日!

kanazawa21coc2005-03-18

いよいよ子供都市計画最終披露展『子供都市-虹の要塞-』まであと1日!!
作業も大詰めも大詰め。スタッフはほぼ24時間稼働していると言っても良いくらい。疲労の色も濃くなってきました。明日に迫った子供都市計画最終披露展、ひたすら制作をしつつも、片付けと、ヤノベさんの作品を収蔵庫から搬出。久しぶりに研究所に戻ってきます。特に、森の映画館は去年の11月ぶりに帰ってきました(バラバラの状態ですが・・・)混沌とした研究所。ぎりぎりまで作業を行います。『GTRY』チームも組む作業を夜通し、線路の敷設も、美術館をぐるりと一周し、細かい調整まで行います。しかもこの写真は実は暗くなって明るくなった所。つまり明け方の様子。寒い中交代で作業を行います。全てはこれも明日の『子供都市ー虹の要塞ー』のため!子供都市は完成するのか!?乞うご期待です。
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○子供都市までのカウントダウン○
子供都市計画最終披露展『子供都市-虹の要塞-』まであと1日!

工房内は戦場と化す

kanazawa21coc2005-03-17

いよいよ子供都市計画最終披露展『子供都市-虹の要塞-』まであと2日!!
いよいよお披露目まであと数十時間?というところまでやってきました。秘密のベールにつつまれた『GTRY』ブースも今日とうとう、取り払われました。そこから現れたのは、とても大きなパーツ部分。頭、ヘルメット、胴体、腕などなど。広かったはずの工房が狭く感じられます。全てのパーツパーツが人のスケールを遥かに超え、一体これが組み上がるとどのようになるのか?誰もが想像で描いたことのある巨大なロボット。これをヤノベさんは現実のモノにしようと格闘しているのです。
そして数日前からつくっていた『ジャイアント・トらやん』の構造体。さらに工房の床にH鋼が井型に組まれ、その上に、溶接した上半身部分を支えるように固定していきます。この様子はさながらここが鉄工所か!?と思わせるほど。
またこの日は最後のとなりの晩ごはん。「となりの晩ごはん」展覧会場だからと言って、美術館の会議室、しかも外からも中からも丸見えな部屋で3日間ご飯をたべるというこちらも前代未聞のプロジェクト。ホストは勤ちゃん。第3回目のホストかつ、美術館の操作スタッフの一員といったこともあり、顔なじみ。しかし、なかなか時間になっても始まらない。とりあえず、呼ばれるまで作業をし、いざ晩ごはん。向かった展覧会場の先には裸エプロンの勤ちゃんが!!(ちなみに上半身だけですよ)一同大ウケ。そしてメニューも、白飯、みそ汁、焼き魚とこれは、ヤノベさんの「となりの晩ごはん」プロジェクトのドローイングの再現となっていて、ドローイングポーズで写真撮影なんかもありつつ和やかな晩ごはん。
晩ごはんが終わった後は、すぐさま作業。『GTRY』は二手に分かれて、構造体と本体を合体していく作業と、足の部分の樹脂を貼っていく作業を。工房内を占拠し、いまかいまかとその姿をあらわそうとしている『ジャイアント・トらやん』。その作業は、熱が入り、火花は散るは、臭いはすごいは、音はすごいはで、もう戦場。他のスタッフも手を止めて、その作業を見入っています。
でも手を休めている暇はない!展覧会の準備のため、スタッフは総出で作業作業作業で、また朝を迎えるのです。
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○子供都市までのカウントダウン○
子供都市計画最終披露展『子供都市-虹の要塞-』まであと2日!