スタンダの調子

kanazawa21coc2005-02-19

第5回トらやんまつりから1週間経った子供都市計画研究所。気づけば、いつもイベント終了後は1週間ほど、休息+のんびりペースで運営しているのですが、今回は違う!イベント終了後の次の次の日くらいから早くも作業をはじめており、3月の最終披露展に向けてのみんなの意気込みを感じます。しかし今日はヤノベ所長が不在。残ったスタッフできりもりします。
やはりメインは『GTRY計画』。先日来所したマンモス・チームの須藤くんが残って作業を手伝ってくれることになり、新たな彫刻師が誕生しました。工房では「ガガガー」という音と「グワングワングワン」という音と「カンカンカンカン」という音が順番に聞こえ、工場のようです。そんな中、お客さんも訪れます。マフラヴのマフラーを取りに来て、オフィスにあるパビリオンを全部体験していった子供たち。『子供都市ガチャポン』をして熱心に標本箱を見て会話している親子連れ。工房から聞こえる音にビックリしながらも、その様子を見せてあげると、みんな目を見開いて食い入るように、作業の様子を見つめます。ここは制作風景をも見せてしまうライブ展覧会場。生の制作現場を見ることが出来るなんてそうそうないんです!
そして夜・・・長瀬さんが昨日に引き続き、スタンダの修理に向かいます。閉館し、人が一人もいないひっそりとした美術館にあぐらをかいて作業する長瀬さん。研究所とは違い、なかなか見ることのできない作業風景ですが、デイリーニュースで皆さんにお伝えします。さてスタンダの機嫌はなおるのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヤノベ所長の作品その2「ビバリバプロジェクトースタンダー」

 現在金沢21世紀美術館に展示されているヤノベさんの作品、「ビバリバプロジェクトースタンダー」。この作品は、放射線感知器を備えた「アトムスーツ」に身を包んだヤノベさんが、廃墟となったチェルノブイリに訪れ、荒れ果てた保育園にセルロイドの人形と壁に描かれた太陽の絵を発見したことが、きっかけとなりました。
 自然界に存在する放射線を20回感知すると乳幼児をモデルにした3mもの巨大なアルミ製のロボット、スタンダが立ち上がります。そして立ち上がったスタンダが空を見上げる時、太陽はその輝きを増して祝福します。
 2001年1月26日資生堂ギャラリーのリニューアルオープンの初日にスタンダは初めて立ち上がり、偶然にもヤノベさんのお子さんもその日に初めてつかまり立ちしたという。この作品によってヤノベさんは制作のテーマをサヴァイヴァルからリヴァイヴァル(再生)へとシフトしました。21世紀という次の世紀に向かって、人生を子供と一緒にスタートするという思いが託されており、ヤノベさんの分岐点である作品でもあります。スタンダの身長は3m。ロボット技術でも成し得ていなかった、巨大な2本足人形が立ち上がる動作をヤノベさんは油圧を使って、約1ヶ月で制作しました。
 金沢21世紀美術館ではスタンダはガラス張りの展示室に展示されています。部屋自体はとても小さいのですが、光庭に囲まれ、ガラスを通して360度眺める事が出来ます。そしてスタンダの視線の先にある太陽はなんと屋外に設置されています。実は美術館の真ん中にあるこの太陽は、子供都市の最終披露展『子供都市ー虹の要塞ー』の重要な役割を担っているのです。是非みなさん、スタンダと太陽をチェックしてください。